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2016年9月22日木曜日

生まれたての赤ちゃんと、おじいちゃんレコード

今から一年前の六月にロクは生まれた。
ロクが生まれて最初の一ヶ月は、会津ばあちゃんが東京に手伝いにきてくれて
私たちの生活の手伝いをしてくれた。

ロクが生まれて二週間目くらいのある日のこと。
知り合いのAさんが、海辺の町のレコードプレーヤー店に出かけるという話を聞いて
前から行きたがっていた父さんは、一緒に連れて行ってもらうことにした。
『遊びに行けるのも、ばあちゃんのいる今のうち。買わない。見るだけだから』と言い残して。

そして帰ってきたら、案の定、買ってきた。

私も、ばあちゃんも驚いた。
こんな小さな子が二人もいて、レコードなんて聴けないだろうと思った。
さらにその古さに驚いた。
自分のおじいちゃん達が若かりし頃に新品だったようなレコードプレーヤーとスピーカー。年季は入っているけれど、ピカピカに磨かれている。プレーヤーは思ったよりも小さめ。スピーカーは木でできて、丸い木枠の模様がなんともかわいらしかった。

とりあえず、子どもたちがさわれない置き場を棚の上になんとか作って、レコードを聴いた。

おじいちゃんレコードプレーヤーは、
主張しなくて、やさしい音で、おしゃべりしながら聴くのにちょうどいい
あたたかな音を出した。

木のスピーカーはモノのスピーカーで、父さん曰く
スピーカーと同じ時代のモノのレコードだと一番よくあうらしい。

そんな訳で、毎日聴いていくうちに、
このスピーカーとプレーヤーによくあう昔のジャズのレコードを、
我が家ではたくさん聴くようになった。

赤ちゃんとレコードとジャズ。
最初は正反対のような気がしていたけど、そんなことはなくて
ロクが生まれてからの方が、よく音楽を聴くようになった。
しかも、今まで全く聴いていなかったジャズをレコードで聴くなんて、
こんなこと妊娠中は思ってもみなかった。

赤ちゃんとレコードとジャズと。
なんだか楽しいことが一辺にうちにやってきた、去年の初夏の話でした。

予備校生の時にCDで聴いていた『ELLA and LOUIS』。
今は憧れのレコード盤を畳の部屋で聴いています。


父さんのレコードセット。右の3つを購入。
左のスピーカーは、知り合いのお手製。
このスピーカーは裏側から聴いた方がいいらしいので
このような佇まいに。足りない高音を補ってくれている。

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